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第200回「偏差値偏重教育の成れの果て」

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2019年3月18日、第113回医師国家試験の
合格発表がありました。

受験者10,146人のうち、合格者は9,029人で
合格率は89.0%と約9割でした。

この合格率は、ほぼ毎年変化はありません。
それでは、各大学別の合格率は
どうなっているのでしょうか。

医学部卒業生を送り出したのは、
国立43校、公立8校、私立29校で合計80校です。

その中で1位に輝いたのは、
栃木県にある「自治医科大学(私立)」です。
なんと同大は7年連続1位です。

1972年に設立された比較的新しい大学です。

私立大学ではありますが、
同大は地域医療を担う人材を育成する目的で
各都道府県が共同で設立した
公的要素の強い大学です。

入学試験では、
都道府県別に2~3名しか選出されず、
各都道府県が指定した医療機関に
一定期間勤めれば、入学金その他授業料などを
実質負担する必要がないため、
全国から優秀な学生が集まってきます。

偏差値的には
東大理Ⅲや慶應医学部と肩を並べます。

今年は、125人受験して不合格は1人だけで、
99.2%になりますが、
新卒だけ見ると合格率は100%です。
第2位は、順天堂大学(私立)(98.4%)、
3位は横浜市立大学(公立)(97.7%)でした。

この2校は、ほぼ毎年この位置につけています。

「国師合格率が高いのは、
国師対策の授業ばかりやっているからだ」
と揶揄する向きもありますが、
これらの大学出身者の臨床医は優秀な方も多く、
評価に値することです。

以下、4位慈恵医科大学(私立)97.4%、
5位筑波大学医学群(国立)96.7%と続きます。

80位最下位の大学は71.9%で、
下位に位置する大学も
ほぼ毎年同じような顔ぶれです。
実際、
医学部の留年問題は一時問題となりました。

ある私立大学では、
国試合格率が下がらないように
国試に合格できる見込みがない学生は
受験をさせないといいます。

国試浪人が200人以上溜まっているという大学も
あるそうです。

6年間留年なく(医学部の場合は、
必修科目を1つでも落とすと留年になります)
卒業して一発で国師の合格できるのは
3分の1というという私立大学もあるそうです。

ですから、
実際の合格率はもっと低いのが現状でしょう。

ただでさえ授業料の高い医学部の授業料
(私立の場合6年間で2,000万円から5,000万円)
ですが、留年すれば
さらに数百万円かかる計算になります。
それでは、「旧七帝大」はどうでしょうか。

東北大学94.0%で15位、名古屋大学91.7%で30位、
大阪大学90.6%で45位、京都大学89.8%で50位
でした。

ここで気になるのが、
受験界の雄である東大医学部です。

東大医学部といえば、東大生1学年約3,100人で、
そのうちの医学部生は90人ですから、
東大生の中でもほんの一握りの3%にも満たない
本当に精鋭のみの集団です。

東大医学部の結果は、89.0%で55位でした。

そのあとに北海道大学と九州大学が
88.0%、59位で並んでいます。

実は、
これもほぼ毎年同じ順位になっています。
どうしてこのような結果と
なってしまうのでしょうか。

旧七帝大のように伝統のある大学では、
国師対策の授業やテストはほとんど行いません。

また、プライドが高いため
国試予備校に通うこともあまりありません。

さらに、
こうした超難関校に入学してくる人たちの中には、
偏差値の高い受験界の頂点に入ることが
目的となっていて、医学部そのものに興味がない
といったことも起因しているのです。

今まで大学入試問題で思考力を駆使して
問題を解くことに快感を覚えてきた学生にとって、
解剖学など、ひたすら暗記するといったことに
興味を持てません。

彼らにとっては、
臨床医となるためのモチベーションが保てず、
国試浪人を繰り返し、
結局医師になれない状況になってしまうのです。

「医学部に入れれば受験の勝ち組だ」
という幻想も大きく影響しています。
歯科医院が「コンビニより多い」と言われ
余剰気味になったことで、
国が政策的に合格率を下げました。

その結果、
かつては高かった歯科医師国家試験の合格率は
現在63.7%です。

将来、「医師余り」と国が判断すれば
国試合格率を下げることもあり得ます。
子どもが本当にやりたいこと、
夢をかなえるために教育はあるべきです。

親の見栄やプライドのために
教育はあるのではありません。

今一度、子どもに必要な教育を考えてみる必要が
あるのではないでしょうか