子育ての知恵ぶろぐ

〜ヘーグル公式ブログ〜

第210回「ものが二重に見える子どもが増えている”」

724332

最近、「急性内斜視」になる子どもが
増えています

内斜視とは、片方の黒目が内側に寄ったまま
元に戻らなくなってしまうのです。

主な症状としては、
両目の視線が一致しないので、
「複視」といってものが二重に見えて
しまいます。

そうなると、
遠近の感覚や立体の感覚を
とらえることが困難になります。

その原因は
スマホやタブレットの見過ぎです。

患者の多くは毎日3~4時間以上、
スマホや携帯ゲーム機、タブレット端末を
使っているのです。
デジタル機器を長時間使うと、
なぜ片目が内側に寄るのでしょうか。

日本弱視斜視学会理事長で、
浜松医科大病院教授の佐藤美保医師
(小児眼科)によると、
小さい画面のデジタル機器は
顔を近づけて見ることが多く、
ピントを合わせるために
寄り目になってしまうといいます。

その状態を長時間続けることで、
利き目ではないほうの眼球が
元に戻りづらくなることが
考えられるのです。
自然に治るケースは少なく、
重症化すれば手術が必要になります。

また、
両目でものを立体的に捉える脳の機能は
5歳ごろに完成するため、
それまでに複視の症状が表れると、
運動能力の発達が阻害される
可能性もあるので特に注意が必要です。
では、デジタル機器を使う際、
どんなことに注意すればいいのでしょうか。

大阪大大学院生命機能研究科の
不二門(ふじかど)尚(たかし)
特任教授(眼科学)は、
書籍は目から平均約30センチの距離で
読まれますが、
スマホの文字は拡大しない場合、
平均約20センチにとどまるとの
報告を引用しながら、
「20センチだとピントを合わせる負担が
大きすぎる。
デジタル機器も意識して、
(目から)30センチ以上離すべきです」
と警鐘を鳴らしています。

実際、韓国の研究機関が
7~16歳の急性内斜視患者12人を調べ、
16年に公表した論文によると、
全員が日常的に30センチ以下の距離で
スマホ画面を見ていたそうです。

不二門さんによると、
30分以上続けて読書をするグループは、
そうでないグループより
1.5倍近視になりやすいとの報告があります。

より長く屋外で活動するほうが
近視の進行を抑えられることも
分かっています。

そのため、
「デジタル機器を使う時も
30~40分に1度は目を休め、
外で遊ぶ時間を増やすことが有効です」
と呼び掛けています。
世界的サイバー心理学者として知られる
メアリー・エイケン博士が、
デジタル・テクノロジーが
人間にどのような影響を与えるか、
とりわけ子どもの成長への影響を
発達段階ごとに見ながら、
子育ての中での影響を
科学的にまとめた話題の新刊
『サイバー・エフェクト
子どもがネットに壊される
――いまの科学が証明した
子育てへの影響の真実』
の中でこう語っています。

子どもの発育に関する専門家で、
NPO「ムービング・トゥ・ラーン」の
創設者としても知られる
発達期作業療法士のクリス・ローワンは、
次のように、
子どもにタブレットや携帯電話の画面を
見せるのを制限することを推奨しています。

〇3~5歳児の場合、
 テレビの視聴は1日1時間に限定する。

〇13歳未満の子どもに、
 ハンドヘルド機器やビデオゲームを
 与えることは勧められない。
 また13~18歳までは、
 ビデオゲームは1日30分以内に
 制限することが望ましい。

ローワン氏によれば、
いまや子どもの3人に1人が、
発達が遅れた状態で学校に入学しており、
識字能力や学業成績に悪影響が
出ているのです。
たとえば英国では、
教員・講師協会(ATL)が、
未就学児のタブレット使用の
一般化に伴う問題(注意持続時間や
運動能力、敏捷性、会話能力、
社会性に関する発達の遅れ、
ならびに攻撃的・反社会的行動や肥満、
疲労感の増加)が拡大しつつあると
発表しています。

タッチパネルを巧みにスワイプできるのに、
積み木で遊ぶのに必要な手先の器用さは
身につけていない
――そんな子どもが入学してくることが
増えていると、
英国の教師たちは報告しています。