【幼児教育の豆知識】子育て中、夫婦の時間がとれない…忙しい毎日でも心を通わせる方法について徹底解説!
子どもが生まれれば、それ以前のように夫婦の時間が取れないのは当たり前。子どもが大きくなるまでは、夫婦の時間なんてぜいたく…。そんなふうに考えていませんか。でも、育児は夫婦ふたりで行うもの。子どものためにも、ふたりの時間を設けて心を通わせることは必要です。
この記事では、まだ手のかかる幼児を育てるパパ・ママに向けて、夫婦の時間を持つための心構えや具体的な対策などを紹介。ふたりで一緒に読んで、「夫婦時間の大切さ」を共有してくださいね。
子育て中、夫婦の時間がとれないと感じているあなたへ
子育て中は夫婦の時間が取れない、と感じている人は少なくありません。それを当然ととらえるのではなく、「夫婦の時間が少ないのは危険」と認識することから始めましょう。
多くの夫婦が直面する現実
子どもの誕生はうれしいものですが、出産後は育児に割く時間が一気に増加します。特に乳児期から幼児期にかけては、子どもと親は密着している時期。保育園や幼稚園以外は目を離すことができず、外出の予定なども子ども中心に。夫婦がそろっても子どもの身の回りの世話に追われることもしばしばです。
特に現代に多い共働きの世帯では時間の制約も多く、仕事、育児、家事をこなしつつ「夫婦だけの時間」を捻出するのは簡単なことではありません。
夫婦の時間が減ることによる危険性
子育てという大きな環境の変化の中で、夫も妻も考え方や悩みは当然変化していくでしょう。しかし、多忙さから夫婦間のコミュニケーションが少なくなると、互いの変化を読み取れずにすれ違いが起こりやすくなります。
「私はこんなにがんばっているのに、夫は言われたことしかしない」
「妻はいつもイライラして、こちらの家事にまで文句を言ってくる」
などパートナーへのいらだちはSNSでよく見られます。本当は、少し話し合えば協力体制を立て直せることかもしれません。しかし、その時間を取れないままだと互いの真意を理解できず、相手に不満が募って心理的な壁ができてしまいます。最初は小さな壁でも放っておくとどんどんと大きくなり、パートナーへの無関心や不信感へと繋がってしまうのです。
なぜ子育て中は夫婦の時間が減るのか
子育ての中で、以前のように夫婦ふたりの時間を取りにくくなる原因は、タスクが多いこと以外にもいくつかあります。より具体的に見ていきましょう。
育児や家事の負担が偏っている
夫婦どちらかに育児・家事の負担がかかりすぎると、必然的に夫婦の時間は少なくなってしまいます。例えば、共働きの夫婦でも妻の方が料理も育児も分担が多め、となると、忙しくて夫婦の時間も自分の時間も取りにくい状態に。
夫が「自分は仕事が忙しいから」とそれを当然のように考えていると妻の不満は蓄積していきます。やがて心理的距離が遠ざかり、さらにコミュニケーションは減少する一方に。
細切れの時間しか取れない
出産直後や乳幼児期は、育児と家事に手を取られてまとまった時間が取りづらい状態。ふたりとも手が空いたとしても、わずかな時間だと連絡相談に費やしたり、疲れて休息を優先してしまったり。腰を据えて話そう、という姿勢にはなりにくいかもしれません。
子どもをあずけるというハードル
夫婦である程度まとまった時間を取ろうとすると、自分たち以外に子どもを預ける必要があります。預けられる人や施設の有無はもちろんですが、それを調べる時間や子ども連れていく準備、交通手段を考える余裕がまずない場合も。また、子どもを他者に預ける不安、子どもを預けることへの罪悪感、といったこともあるかもしれません。
夫婦の時間を確保するための心構え
何も手を打たないままだと、夫婦の時間は忙しい毎日の間に消えてしまいます。まず夫婦が目線をそろえることが大切。そのために、互いに持っておきたい重要な心構えを3つ、ピックアップしました。
互いに助け合い、尊重し合う
夫婦それぞれの事情によって、育児・家事の分担の割合は異なります。どのような分担であっても、「いつもありがとう」と互いをいたわり合い、助け合う気持ちを持つことがよい夫婦でいるための大前提です。
また、親や夫婦という前にそれぞれが一人の人間です。たまには趣味や飲み会など各自の自由時間も必要。「私が我慢しているんだからあなたも我慢して」と辛さを押し付け合うのではなく、どちらも個人の時間を持てるようにサポートし合っていきましょう。
互いへの気持ちを伝え合う
普段会話もないのに、夫婦だけの時間を作る気にはなれないでしょう。まずは、日ごろからふたりの心理的距離を近くしておくこと。そのためには相手に関心を持ち、積極的に思いを伝えることが大切です。
・おはよう、おやすみ、ありがとうなど毎日のあいさつは基本
・誕生日や記念日を祝い、感謝や愛情を伝える
・相手のできていないところではなくいいところを見て、言葉にする など
「言わなくてもわかっているはず」という考えはすれ違いのもとに。相手へのプラスの言葉がけは、自然と自分にも返ってくるものです。
「時間ができたら」ではなく「時間を作る」
子育て中は多忙で、待っていても空き時間はできません。「夫婦の時間は作るもの」「作る必要がある」「場合によっては子どもを預けることも考える」といったことをふたりで話し合い、共通認識にしておくようにしましょう。
夫婦の時間を取り戻すための具体的な方法
心構えが分かったところで、具体的に夫婦の時間を設けるための方法を紹介します。自分たちに合った方法を取り入れてみてくださいね。
育児・家事の分担を見直す
夫婦の時間が取れていないと気が付いたら、まずはどちらかに育児・家事の負担がかかりすぎていないか見直しを。
その際に「私ばかり忙しいから時間が取れない!」と相手を責めると、言い争いになってしまう危険性も。表面の不満ではなく、「夫婦で一緒に過ごす時間を大切にしたいから」と肝心の目的をまず伝えることで、前向きに話し合うことができるでしょう。
子どもの就寝後の時間を活用する
子どもを寝かしつけた後に夫婦ふたりの時間を取る、という人も多いようです。過ごし方の一例をあげると、
・今日のできごとや子どもの様子、相談したいことなどを話す
・ふたりで晩酌をする
・共通の趣味のゲームなどを楽しむ
・一緒にドラマや映画を見る
このように、会話だけではなく夫婦の好みによってコミュニケーションの取り方はさまざま。たとえ10分、15分と短くても、夫婦だけで過ごすことで気持ちが通い合い、すれ違い防止の効果もアップします。毎日は難しいかもしれませんが、週に何度かでも「今日は後で晩酌しようか」など、誘い合って時間を取れるといいですね。
「夫婦で出かける時間」を予定に入れる
週末といえば、子どものために遊び場に出かけたり買い出しにいったり、という家庭も多いでしょう。「時間ができたら…」と考えていると、いつまでたっても夫婦の時間は取れないままになってしまいます。
「夫婦で出かけたい」と思うのであれば、「〇日はディナーに行く」「映画に一緒に行く」など、思い切ってスケジュールを押さえてしまうのが得策です。仕事の関係で週末の予定が合わないのであれば、子どもが登園している平日にランチデートをする、といったことでもいいでしょう。仕事のスケジュールを調整して夫婦時間のための有給休暇を取る夫婦もいます。
予定に合わせて子どもを預かってもらえるよう手回しも必要です。双方の親に頼むにしても、一時保育施設やベビーシッターを利用するにしても、早め早めがスムーズ。スキマ時間に夫婦で話し合って、積極的に予定を組んでみましょう。
まとめ
短くても夫婦の時間を確保して
子どもの寝た後や休日に子どもを預けて、といった計画的な夫婦の時間以外にも、少し意識するだけでふたりで過ごす機会は増えるはずです。
例えば、子どもの送迎にふたりで行く、ふたりでいるときはスマホを見ない、寝る前に5分おしゃべりするなど。「家事があるから」「疲れているから」となりがちですが、「少しでも夫婦の時間を設けよう」ということを常に忘れないようにすれば、スキマ時間を夫婦時間に変化させることができます。
夫婦の絆が子どもにも良い影響を与える
夫婦仲がいいことは、互いにとってだけではなく子どもの心の安定にもつながります。子どもが人と人との絆や信頼関係を学ぶのは一番身近な家族から。パパ、ママが互いをいたわり合い、理解し合う姿は、子どもにとって何よりの手本になるでしょう。

株式会社ヘーグル 理事長
30年以上にわたって、幼児期からの理想的な能力開発と学習環境を追求、独自に開発した「親と子の共育大学のプログラム」など、親子でともに成長できる子育て、教育メソッドは絶大なる人気を誇る。

【執筆者】逸見 浩督(へんみ ひろただ)
株式会社ヘーグル 理事長
30年以上にわたって、幼児期からの理想的な能力開発と学習環境を追求、独自に開発した「親と子の共育大学のプログラム」など、親子でともに成長できる子育て、教育メソッドは絶大なる人気を誇る。