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【幼児教育の豆知識】もしかして「産後うつ」? 症状・対処法について徹底解説!

もしかして、産後うつ?

「赤ちゃんが生まれて幸せなはずなのに、なぜか気分が沈む」「育児が辛くて、涙が止まらない日がある」「私、母親失格なのかな…」。
こうした気持ちは、「産後うつ」からくるのかもしれません。産後うつは主に母親が罹患するもので、単なる「育児疲れ」や「気の持ちよう」ではなく、医学的に適切な対処が必要な状態です。現在子育て中、また妊娠中というママは、ぜひこの記事で症状や対処法についての知識を身に付けてください。パートナーや家族が知っておきたいサポート法も紹介しています。産後うつはどのママもなり得るものと心得て、家族みんなで協力体制を作っていきましょう。

「産後うつ」って何?

まず、産後うつとは何か、その定義や主な症状などをきちんと理解しておきましょう。

産後うつの定義

産後うつは一過性の落ち込みではなく、長く続く精神疾患。その発症率は10%を越えます。出産後3カ月以内のママが多いとされていましたが、その後もうつ状態になる可能性があることが指摘されています。

産後うつとマタニティブルーとの違い

多くの人が「産後うつ」と混同しがちなのが、「マタニティブルー」です。マタニティブルーは出産後3~5割程度のママに現れるめずらしくない症状で、以下のような特徴があります。
・訳もなく涙が出る、気分の浮き沈みなど軽度の情緒不安定
・産後の半数近くが経験する正常範囲内の変化
・産後3〜5日頃から始まり、通常は2週間以内に自然に改善

このように、主に女性ホルモンの急激な変化などの要因で起こる一過性の軽いうつ状態が、マタニティブルーといえます。
一方で産後うつは、単なる気分の落ち込みを超えた精神的疾患です。その特徴は、主に次のようなものです。
・主に産後3カ月の間に発症
・大きな気分の落ち込みや自責感などが2週間以上続く
・無気力、絶望感、時には「消えてしまいたい」など自殺念慮が生じることも
このように症状が重く、「専門家による治療が必要な病気」が産後うつなのです。
日本産婦人科医会によると、マタニティブルーになった人は産後うつにもなりやすいとされています(※)。そのほか、うつの既往歴がある人、PMS(月経前症候群)などホルモンの増減で体調が崩れやすい人、パートナーが多忙など他者からのサポートが受けにくい人は産後うつになりやすい傾向に。妊娠中から自分の性質および自分の置かれる子育て環境を考え、対策をしていく必要があります。

(※)参照/日本産婦人科医会「産後うつ病について教えてください」
https://www.jaog.or.jp/qa/confinement/jyosei200311/

発症率・時期の目安

日本産婦人科医会によると、日本では出産後の約10〜15%の女性が産後うつの状態に陥るとされています。近年ではコロナ禍の影響もあり、その割合が3割近くになったとの報告も(※1)。人との交流が減少したコロナ禍でなくとも、核家族化、少子化、地域社会の分断が進んだ現代では、以前より注意が必要と言えるでしょう。
産後うつの発症時期については、産後1~3カ月が多いと言われています。出産で傷ついた体で弱弱しい命を守らなくてはと気を張り、思ったようにいかない育児に振り回されて疲れ果ててしまうのです。
ただ、その時期を過ぎれば安心というわけではありません。2015~2016年にかけて妊娠中・産後に自殺した母親の数を国立成育医療研究センターが調査したところ、子どもが生後3〜4カ月、7〜9カ月の時期も多いことが判明しました(※2)。全員の原因が産後うつとは言い切れませんが、「産後しばらくたったからもう大丈夫」と過信するのは危うい、ということです。子どもの成長に従って新たな悩みも出てくるもの。乳幼児期を通して、「育児がつらい」と感じたら、一人で抱えこまずに常に周囲のサポートを仰ぐことが重要なのです。

(※1)参照/神奈川県立保健福祉大学大学院「コロナ禍で出産・育児を経験した女性の「産後うつ」の割合が倍増」
https://www.kuhs.ac.jp/shi/news/details_01448.html

(※2)参照/サイカル NHK「知ってほしい“産後のうつ”~92人自殺の衝撃~」
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sci_cul/2018/09/story/special_180914/

産後うつの主な症状・サイン

産後うつの症状は、出産後のあわただしさや社会との一次的な分断の中でときに見落とされることも。家族はもとより、ママが自覚できない場合もあります。自分の状態を客観的に見て、以下のようなサインがないかをチェックしてみましょう。

気分・感情面で現れる症状

産後うつにおいては、ママの感情に次のような変化が見られます。
・悲しみや空虚感:理由もなく涙が出る、心が空っぽな感じが続く
・興味や楽しみの喪失:以前好きだったことに全く興味が持てない
・過度の不安や心配:赤ちゃんや自分の将来について異常に心配になる
・イライラや怒りっぽさ:小さなことで激しく怒ってしまう
・自責の念:「私はダメな母親だ」と過度に自分を責める
・絶望感:「この状況から抜け出せない」と感じる など

このような感情が1年、長いと2年以上も続くと、次第に体調面でも不調を引き起こしていきます。

体調・身体面で現れる症状

心の不調に加えて赤ちゃんの世話による睡眠不足などが重なると、次のような体の不調が出てくることも。
・睡眠障害:赤ちゃんが寝ていても眠れない、または異常に眠くなる
・食欲の変化:全く食べられない、または異常に食べてしまう
・疲労感:休んでも取れない極度の疲れ
・集中力の低下:簡単な判断ができない、物事を決められない
・頭痛や体の痛み:原因不明の身体的不調 など

こうした心身の症状が続くと日々の生活が困難になり、幸せなはずの赤ちゃんの世話も苦痛に感じるようになってしまいます。

ママ自身でチェックしたい、日常生活・育児での変化

ママが自身の変化に気が付けるよう、より具体的な例をピックアップしました。子育て中の人は、自分が当てはまらないかを確認してみてください。
〈産後うつにつながるママの変化〉
・育児に無関心になる、赤ちゃんの世話が苦痛に感じる
・以前は普通にできていた家事ができなくなる
・人に会うのが面倒で、家に閉じこもりがちに
・赤ちゃんへの愛情を感じられなくなる など
SNSでは、「出産3カ月後くらいから常に不安感があり、育児が怖いと感じるようになった」「ささいなことでイライラし、子どもを抱っこするのがイヤだと思うようになった」などの体験談も報告されています。「みんながんばっているんだから、自分も」と我慢せず、自らの不調をきちんと認めてあげましょう。

パートナーや家族が気をつけたいサイン

子育てに必死なママは、自分の心身の悪化に気が付かないケースも。パートナーをはじめ家族は、「産後だからこんなものだろう」と思わず、ママの変化に気を配るようにしましょう。次のようなポイントを参考にしてください。
〈パートナー、家族が気を付けたいママの変化〉
・以前より表情が乏しくなった、笑顔が減った
・話しかけても反応が薄い、会話を避けるようになった
・お風呂に入らない、着替えない
・小さなことにも異常にこだわる、または全く気にしなくなる
・友人との接触を避ける など
上記に限らず、「今までと違う」と感じることがあれば、まずは寄り添って話に耳を傾けるようにしましょう。そして、具体的に負担を減らせるように行動に移すことが大切です。

産後うつを引き起こす要因

改めて、産後うつはどうして引き起こされるのか、その主な要因を把握しておきましょう。要因が分かれば、どんな対策をすればいいのかも見えてきます。

ホルモンの変化

女性の心身に大きな影響を与えているのがホルモン。出産後、体の中ではエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが急激に減少します。これらには精神を安定させる作用があるため、産後は情緒の起伏が激しくなったり、気分が落ち込んだりすると考えられます。

睡眠不足・体力低下の影響

新生児期の頻繁な授乳や夜泣きによる慢性的な睡眠不足は、産後うつの大きな要因の一つです。出産による体力の消耗や体調不良に加え、まとまった睡眠が取れない状況が続くことで、脳の機能が低下し、感情のコントロールが困難になります。

育児ストレス・孤立感・サポート不足

核家族化が進む現代では、育児の負担が母親一人に集中しがちです。夫の帰宅が遅い、実家が遠くて親に頼れないという状況になると、赤ちゃんとふたりで孤立してしまい、気持ちのやり場がなくなってしまうのです。

完璧主義・比較意識・情報過多

SNSや育児書の情報に振り回され、「このとおりに、完璧な子育てをしなければ」というプレッシャーを感じるママもいます。他の母親と比較して自分を責めたり、情報過多によってどんな育児が正しいのか混乱したりすることも、産後うつの症状を引き起こす原因となります。

このように、体の内部の変化に加えて乳児の世話の大変さ、サポートの少なさ、そして現代特有の情報過多などが重なり、ママを少しずつ追い詰めてしまうのです。産後うつを避けるには、こうした要因を一つずつ減らしていく必要があります。

まず行いたいセルフケアや日常の対処法

もしかして、産後うつ?

産後うつにならないために、まずはママ自身がセルフケアを心がけましょう。すぐに取り組める日常の対処法とともに紹介します。

睡眠と休息の工夫

心身の疲れを取るためには、とにかく睡眠と休息が必要です。夜間授乳はパートナーと交代制にする、オムツ替えや寝かしつけはパートナーに任せるなど、まとまって寝られるように体制を整えましょう。
また、赤ちゃんの午前睡、午後睡の時間もチャンス。「寝ている間に家事を」と考えず、積極的に一緒に休むようにします。その場合は、赤ちゃんが窒息しないように仰向けにしておくことと、顔の周りにタオルなど口をふさぐものがないかを確認しておきましょう。
料理や掃除などの家事もできる範囲でOK。市販の総菜やハウスクリーニングサービスを利用するなど、自分の心身の健康を最優先にして考えるようにします。

心と体をリラックスさせる習慣

赤ちゃんの寝かしつけが終わった後など、少しでもいいのでママがリラックスできる時間を持つようにしましょう。ストレッチなど軽い運動をしたり、おいしいものを食べたり、自分の趣味に時間を割いたり。5分でもいいので育児のことを忘れて、自分をくつろがせてあげる時間を持てるとリフレッシュできます。
家族や親しい友人に電話するなど、誰かに話を聞いてもらうのもおすすめ。気持ちを話すことができるだけで、不安や悲しみが少し和らぐことがあります。

情報との付き合い方を見直す

SNSをよく見ているのであれば、少し距離を置いてみるのもいいでしょう。もちろん、SNSがすべて悪いわけではなく、同じ子育て中のママたちと励まし合え、有効な情報が得られるメリットもあります。ただ、あれこれと見すぎてしまうと情報に振り回されてしまいます。また、他のママはうまくやっているように思えて焦ってしまうことも。時には、誤情報がさも正しいように書かれていることもあります。
スキマ時間はいつもスマホ、ではなく、時間を決めて見るようにするといいでしょう。育児の不安については、小児科医などの専門家に直接聞くか、信頼できる公式サイトで調べるようにするのが賢明です。

遠慮せず、周囲に助けを求めて

産後うつを回避するための最重要ポイントは、ママにかかる負担を減らしていくこと。パートナーはもちろん家族や親族、行政など頼れる人には遠慮せずに頼る、という認識を、出産前から持っておきましょう。

パートナーや家族と役割分担を

産後うつの改善には、パートナー、家族からのサポートが不可欠です。産前、もしくは産後すぐにでも話し合って育児・家事の分担を決めていきましょう。
オムツ替え、お風呂、寝かしつけ、夜間授乳など育児のタスクに加え、料理、掃除、洗濯、買い物など家事のタスクも細かくピックアップして、ママだけに負担が偏らないように分担します。実践してみて、負担が重ければ随時見直していくことも重要です。
パートナーや家族は、ママの気持ちに寄り添い、話に耳を傾ける姿勢を持ちましょう。日常はママが主に育児をしているのであれば、休みの日は子どもの世話を引き受け、一人で外出できるような時間を設けてあげても。大切なのは、「子育てはママの仕事」と思わず、「一緒にやっていく」という認識を持つことです。

地域・行政・専門機関を活用する

現在、多くの自治体で産後のママへの支援が行われています。例えば、生後4カ月までに保健師などが各家庭を訪問して赤ちゃんとママの心身の健康をチェックする「こんにちは赤ちゃん事業」や、育児についての悩みを保育教諭などに相談できる子育て支援センターの設置など。
自治体によっては、支援が必要なママに対して宿泊型やデイサービスの産後ケアを行っているところもあります。
支援内容については各自治体で異なるため、役所の担当課に聞くか、公式ホームページでチェックを。設けられている支援制度については積極的に利用していくといいでしょう。

もしかして、産後うつ?

医療機関への受診と判断基準

産後うつかも、と思ったら、ためらわず医療機関へ受診を。受診の大まかな判断基準や、どのような治療が行われるのかを紹介します。

受診を検討すべきタイミング

以下のような症状を自覚しているのであれば、できるだけ早く専門医に相談する必要があります。
・日常生活に著しい支障が出ている
・「死にたい」「消えてしまいたい」という気持ちがある
・赤ちゃんに愛情を感じられない、傷つけてしまいそう
・こうした症状が2週間以上続いている

ママ自身は気が付かなくても、周囲が上記のような症状を認めたら速やかに受診を勧めましょう。

産後うつの受診先や治療法とは

産後うつの受診先は、主に精神科、心療内科です。そのほか、出産した産婦人科の病院で産後サポートを行っている場合もあります。また日常から頼りにしているかかりつけ医がいる場合、取り急ぎ相談してみてもいいでしょう。
治療の方法としては、カウンセリングや薬物療法、マッサージ、サプリメントの処方などがあります。また、カウンセラーが間にたち、パートナーや家族との協力関係を見直すことも。
「このくらい」と放置しないで、早めに適切な対処をすることで、早期の回復が望めます。

まとめ

正しい知識を持ち、周囲のサポートを受け入れることが大切

産後うつは決して特別な病気ではなく、おおよそ10人に1人が経験する一般的な疾患です。とはいえ、放置しておくと取り返しのつかない状況に陥ってしまう危険性も。重要なのは、自身の状況を客観的にとらえ、必要に応じて適切なサポートを受けることです。 仕事も家事も一生懸命やってきた女性ほど、「自分でがんばらねば」と思い込んでしまうことも。一人で育児のすべてを背負いきれないのは当然で、周囲に助けてもらうのは子どものためである、ということをしっかりと理解し、早め早めにパートナーや家族、行政機関に相談しましょう。ママが笑顔でいることが、何よりも子どもの幸せにつながるのです。
逸見理事長
【執筆者】逸見 浩督 (へんみ ひろただ)
株式会社ヘーグル 理事長

30年以上にわたって、幼児期からの理想的な能力開発と学習環境を追求、独自に開発した「親と子の共育大学のプログラム」など、親子でともに成長できる子育て、教育メソッドは絶大なる人気を誇る。
逸見理事長
【執筆者】逸見 浩督(へんみ ひろただ)
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