第223回 幼児期から身につけなければならない「絶対語感」

幼児期から身につけなければならない「絶対語感」

幼児期から
身につけなければならない能力の一つに、
「絶対語感」があります。

「絶対語感」を養うには、
幼少期の親からの本の読み聞かせや音読が
大切です。

言語というのは、
「音から入る」というのが基本です。

赤ちゃんが生まれて初めて聞く音は、
お母さんの声です。

日本語の「母国語」という言葉は、
英語で「マザータング=母の舌」と言います。

つまり、母親の発する言葉から
言語を学んでいくのです。
幼少期に触れさせたいのは、
いろいろな文です。

いろいろな文とは、
通常の「現代文」、日本の「古典」の文章、
「漢文」などの文です。

まずは、絵本の読み聞かせから始まり、
いろいろな文章に触れさせることは、
単に「論理性」を育てるだけではなく、
「感性」も育てることになるというのが
昔からの考えでした。

現代は、どうしても「理解すること」、
「論理的であること」が重要視されます。

たしかにこの時代、論理性を養うことは
最重要課題です。

しかし、「感性」を養うことは
特に幼少期には大事なことになります。
江戸時代には、「寺子屋」というのがあり、
そこに通う子どもたちは、
幼少期に漢文や古文を暗唱させられました。

この時代には、様々な天才たちが生まれました。

鉄砲伝来の時は、
日本人があまりにも早くまねてしまい、
伝来役のポルトガル人が舌を巻いたという
逸話もあります。
「読書百遍、意おのずから通ず」のように、
とにかく声を出して文章を読むというのが
一番大切であり、
何度も繰り返して読んでいると、
そのうち自然に覚えてしまうことによって
言語を身につけていくのです。

ヘーグルが発刊している
「プレミアム素読・暗唱文集1・2」には、
現代文のみならず、漢文や古文など
様々な文章が収録されています。

この本で最も大切にしていることは、

1.人間として育っていく上において、
暗記すれば将来役に立つような文章。

2.「現代文」「古文」「漢文」など
様々な文章を読むことで、
読むことの面白さを感じてもらい、
最終的に幅の広い「絶対語感」を
身につけてもらう。

ということなのです。
2018年11月に月刊誌「文芸春秋」より
【高校国語から「文学」が消える】
という刺激的な見出しが出ました。

それによると、
夏目漱石「こころ」や中島敦「山月記」など
長年の定番であった文学作品がなくなり、
契約書やグラフなど実学を中心とした
「資料」の読み取りにとって代わる
というのです。

このようなことがおこったきっかけは、
国立情報研究所、荒井紀子教授による
リーディングテストの結果でした。

文章の意味を論理的に理解できない
中高生が少なくないのは、
感性中心の国語教育が原因であるとし、
「基本的な読解力」がなければ、
将来はAIにとって代わられる、
というのです。
昨年2月に発表された
新学習指導要領改定案によると、
従来の必修科目である「国語総合」は
「現代の国語」と「言語文化」に分かれ、
高2からは「論理国語」「文学国語」
「国語表現」「古典探求」の4つに分かれます。

どれを履修するかは
各学校の判断に任されます。

これでは、
「大衆の知的賢明さ」が劣化するという
指摘も出てきています。

ですから、できるだけ小さいうちから
様々な文章に触れて「感性」を養い、
幅の広い教養の基盤づくりをすることが
大切です。