子育ての知恵ぶろぐ 第280回 『子どもの日』に子どもに教えたいこととは?

マイケル・サンデル
5月5日は子どもの日です。

この日に、子どもたちに
是非伝えたいこととは何でしょうか。

それは、
「感謝」、「役割」と「謙虚」
ということです。

2019年6月時点では
全国に3,700か所にまで増加したものが
あります。

それは、「こども食堂」です。

こども食堂の始まりは、
2012年に東京の八百屋の店主が
行ったところからです。

2012年では9件、2016年では319件、
2018年2,286件、2019年3,700件以上と
ここ3年で10倍以上の数に増えています。

日本の貧困率は15.7%で、
7人に1人が貧困に苦しんでいると
言われています。

この割合は、OECDに加盟している
先進国30カ国の中で、
4番目に高くなっています。

コロナの影響もあり、
最近はさらに加速しているでしょう。

その中での大きな問題の一つに
「孤食」があります。

ひとり親家庭で多い状況ですが、
子どもが一人で食事をとらざるを得ない
環境は、つらいものがあります。

そうした状況を少しでも打破しよう
という活動の一つが「こども食堂」です。

まず、子どもたちに教えたいことは、
「お父さんやお母さんがいて、
みんなで食卓を囲んで
こうして食事をとれるということは、
この上ない幸せなことである」
ということです。

そして、この貧富の差=格差は
どんどん世界に拡大し、
もうその差を一人の人間の力では
どうにも埋められなくなっています。

米・ハーバード大学の
マイケル・サンデル教授(68)が著した本
「実力も運のうち 能力主義は正義か?」
(早川書房)が、世界的に注目を
浴びています。

ハーバード大学の学生の3分の2は、
所得規模で上位20%にあたる
家庭の出身です。

つまり、彼らが今あるのは
そのような恵まれた環境によって
そうなっているのです。

ところが、彼らは例外なく、
自分が入学できたのは
「努力」と「勤勉」のおかげだと
言うのです。

私たちは、人種や性別、出自によらず
能力の高い者が成功を手にできる
「平等」な世界を理想としてきました。

しかしいま、こうした
「能力主義(メリトクラシー)」が
エリートを傲慢にし、
「敗者」との間に未曽有の分断を
もたらしている
、とサンデル教授は
指摘します。

コロナの出現が、
今の社会にレントゲンをかけたように
様々な問題点を浮き彫りにさせました。

リモートワークとエッセンシャルワーカー
との別れているこの社会で、
果たしてリモートワークのできる人たちが
比較的に高収入で、素晴らしい仕事を
本当にしているのか?

リモートワークのできない
エッセンシャルワーカーが
このリアルな社会を実際に支えている
のではないのか?

裕福な家庭(上位1%)の出身であれば、
貧困家庭(下位20%)出身の場合よりも、
アイビーリーグの大学
(アメリカの一流大学)に進学する
可能性が77倍も高く、
所得規模が下位半分に入る
家庭出身の若者のほとんどが、
二年制大学に進むか、
そもそも大学に進学しないという現実は
何を意味するのか?

コロナでさらに貧困層は拡大し、
ほとんど一文無し状態の人たちが
増えている中で、
NYダウは最高値を更新し、
ビットコインは約1年で6倍に
急騰しているのはなぜか?

こうした事実をもとに、サンデル氏は
こう言います。

「あなたがこれまで成功を
収めてきたとしても、
あなたは独力でそこへ到達したわけでは
ありません。

成功したのは自分がとても賢かったから
に過ぎないと思っている人たちには、
愕然とさせられます。

世の中には賢い人はたくさんいます。

懸命に働いている人もそうです。

つまり、あなたが成功を収めたとすれば、
どこかの段階で誰かが
手を貸してくれたのです。

あなたの人生のどこかに、
素晴らしい先生がいたのです。

そして、あなたを取り囲んでいる環境に、
先人たちが投資をし、
それを永続的に提供してくれるように
働いている人たちがいるから、
あなたはそれらを享受できるのです。

私たちの社会がもし存続できるなら、
いずれ、清掃作業員に
敬意を払うようになるでしょう。

考えてみれば、
私たちが出すごみを集める人は、
医者と同じくらい大切です。

なぜなら、彼らが仕事をしなければ、
病気が蔓延するからです。

どんな労働にも尊厳があります」と。

どんな労働にも「尊厳」があると、
かの有名なキング牧師も
民衆に訴えています。

恵まれた環境にいる人たちは、
「今あるのは当たり前」
「今あるのは自分の努力のおかげ」
と考え、そうでない貧しい人たちのことを
「努力不足で能力のない人たち」
と一蹴します。

この「傲慢さ」がさらに状況を悪化させ、
もう「格差の溝」が生む悲劇は
地球規模以上となり、
私たち人間が生きる生存基盤自体を脅かす
レベルにまで達しています。

これからを生きる子どもたちに、
「自分の幸せのために勉強する」とか、
「人よりいい暮らしができるように
頑張るのよ」と無意識で大人たちは
語りかけていないでしょうか。

そうではなく、
「勉強できるのは、
陰で支えてくれている人たちのお蔭です。
一人で幸せになることはできません。
成功したならば、成功を与えてくれた
方々やすべての人たちに
恩返しをしましょう」

といったことを、ぜひ子どもたちに
語りかけていくことがとても大切だと
思います。

■「コロナで社会不平等が明らかに…
サンデル氏が見る未来」完全版が
視聴できます。

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約20分間にわたってサンデル教授の
熱いメッセージがご覧になれます。
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