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子育ての知恵ぶろぐ 第472回 スマホ・タブレットが子どもの脳を変えている-10代うつ2.5倍、”ADHDグレー”急増、そして欧州で始まった「ガラケー回帰」が示すもの-

スマホ・タブレットが子どもの脳を変えているいま、世界はようやく
気づき始めています。

スマートフォンやタブレットが
もたらした便利さの代償が、
想像以上に大きかったので
はないか、と。

その象徴的な出来事の一つが、
欧州市場での”ガラケー回帰”です。

パナソニックは2025年、
欧州向けに4G対応の
フィーチャーフォン「KX-TF400」を
投入しました。

価格は約49.90ユーロで、
アプリを排し、
「話す」「聞く」といった
本質機能に絞った端末です。

パナソニックの公式発表では、
欧州ではこうした
非スマートフォン市場に
一定の需要があるとされています。

日本では個人向け携帯電話事業を
2013年に終了しており、
この機種も日本市場向け
販売予定はありません。

この話が興味深いのは、
単なる懐古趣味ではないからです。

世界の一部で再び
「スマホではない携帯」
が選ばれ始めている背景には、
スマートフォンが子どもや
若者の心身に与える影響への
危機感があります。

欧米ではスマホ依存や
精神的悪化への懸念を背景に、
フィーチャーフォンへの関心が
高まっていることが
紹介されています。

そして、この問題は決して
欧米だけの話ではありません。

日本でも、子どもたちの
「心」と「脳」に起きている変化は、
すでに見逃せない段階に
入っています。

10代のうつ増加と、
日本の子どもたちの”静かな変化”

近年、若年層の精神的健康の悪化が
強く懸念されています。

アメリカで2010年以降、
10代のうつが約2.5倍に増え、
その背景要因として
スマホやSNSを中心とした
生活環境の変化が強く意識されて
います。

欧米諸国では規制や見直しの
議論が進んでいる一方、
日本では依然として
スマホが生活の中心に深く入り込み、
子どもたちもそこから自由では
ありません。

この流れと重なるように、
日本では別のかたちで
不安が広がっています。

それが、
「うちの子、ADHDかもしれない」
という保護者の悩み
です。

子どもの「落ち着きがない」
「衝動的」「集中が続かない」
といった様子に、
以前よりもずっと多くの保護者が
強い不安を抱くようになりました。

実際、「ADHDグレー」と言われる
ケースも少なくありません。

ここで重要なのは、
そうした子どもたちの中に
先天的な発達特性だけでは
説明しきれないケースがある
との
指摘です。

4万人以上の小学生保護者を見てきた
井上顕滋さんの話として
紹介されているのは、
ADHDグレーと診断された
子どもたちの家庭環境をたどると、
かなり高い確率で、
乳幼児期からタブレットやスマホを
長時間使っていたという共通点が
見られた
、ということです。

つまり、子どもの脳の状態が
「生まれつき」だけでなく、
「育つ環境」に強く影響されている
可能性があるということです。

本当のADHDと、環境によって
似た状態になる子ども

ここで大切なのは、
ADHDそのものを単純化して
考えないことです。

ADHDは先天的な発達特性として
理解されるべき面があり、
そこには独創性、行動力、
特定分野への強い集中力など、
非常に優れた資質が伴うことも
少なくありません。

実際に、音楽、スポーツ、
学業などで高い能力を
発揮している子どもたちもいます。

一方で、記事が強く問題提起
しているのは、環境や習慣によって
ADHDに似た状態がつくられてしまう
可能性
です。

いわば「勘違いADHD」とも呼べる
状態です。

この場合、子どもに現れるのは、
落ち着きがない、衝動性が強い、
集中が続かない、
感情のコントロールが
難しいといった、
たしかにADHDに似た様子です。

けれども、その背景には
先天的な特性ではなく、
乳幼児期からの過剰な
スクリーン刺激による
脳機能の偏りがあるのではないか

というのが大きな論点です。

研究が示している
「スクリーン時間」と脳機能の関係

乳幼児期の長いスクリーンタイムが
「ADHDのような症状」と関係する
研究として、複数の結果が
紹介されています。

たとえば、
2019年のカナダの研究では、
5歳で1日2時間以上
スクリーンを見る子どもは、
そうでない子どもに比べて
ADHD症状に該当するリスクが
約7.7倍高かったとされています。

また、シンガポールの長期研究では、
生後12カ月時点のスクリーン時間が
長い乳児は、18カ月時点の脳波に
特徴的な変化が見られ、
9歳時点で注意力や実行機能の
スコアが有意に低かったと
報告されています。

さらに、
イスラエルと米国の研究では、
スクリーンへのアクセス頻度が高い
子どもほど、前頭葉を含む
複雑な行動や意思決定に関わる
神経回路と、
視覚注意ネットワークが一体として
働く力が低下していることが
示されました。

中国の4万2841人を対象とした
大規模研究でも、
乳幼児期に1日3時間以上
スクリーン視聴した子どもは、
多動症状リスクが4.62倍高かったと
されています。

これらの研究が一貫して
示唆しているのは、
長時間のスクリーン刺激が、
子どもの前頭葉を中心とする
重要な脳機能に影響を与えうる

ということです。

前頭葉に何が起きるのか

前頭葉は、注意、集中、
衝動の抑制、計画、判断、
感情のコントロールなど、
らしい高度な機能を支える
中枢です。

この領域の発達がうまく進まないと、
すぐに気が散る、我慢がきかない、
感情が荒れやすい、学習の見通しが
立てられない、努力が続かない
といった状態が現れやすくなります。

つまり問題は、単なる
「スマホの見すぎ」ではありません。

それによって、
非認知能力―自己制御力、情動調整、
粘り強さ、対人関係力などの土台が
崩れてしまう可能性がある

ということです。

ただし、研究は一方向だけではない

ここで冷静さも必要です。

記事でも紹介されているように、
すべての研究が
「スクリーンタイムは
必ず深刻な害をもたらす」
と言っているわけではありません。

オックスフォード大学、
オレゴン大学、
ケンブリッジ大学などの
研究チームが、
9~12歳の子ども7809人を
対象に行った分析では、
デジタルスクリーン活動と
脳機能に一部の関連パターンは
認められたものの、
それが2年後にも再現されず、
認知能力や精神健康指標との
実質的な関連も明確ではなかったと
報告されています。

つまり、
年齢が上がった子どもたちでは、
「スクリーン時間そのもの」
が一律に決定的悪影響を及ぼすとは
言い切れない面もあります。

けれども同時に、
乳幼児期から小学生のあいだが
脳の土台形成にとって
きわめて重要な時期であることは
変わりません。

だからこそ、
「大丈夫かもしれない」
という一部のデータを理由に、
過剰なスクリーン刺激を
軽く見てはいけないのです。

世界は”使い方”だけでなく、
“距離の取り方”を考え始めた

スマホのように
アプリに没入させる道具ではなく
連絡のための道具に立ち返った
端末です。

パナソニックのKX-TF400は、
単なる製品の特徴ではなく、
現代社会の価値観の変化を
映しているように見えます。

つまり世界の一部では、
「どう上手に使うか」だけでなく、
そもそもスマホから
どれだけ距離を取るか

考え始めているのです。

公式ページでも、
「アプリがないことで、
大切なことに集中できる」
といった方向性が示されています。

子どもにとって本当に必要なのは、
“多機能”でしょうか。

それとも、”過剰な刺激から守られた
環境”でしょうか。

いきなり取り上げるのではなく、
段階的に減らす

とはいえ、現実の家庭では
「今日から全部やめる」
は難しいものです。

記事でも、いきなり取り上げると
大泣きしたり、
家庭が回らなくなったりする
ケースが少なくないと
述べられています。

その理由は単純です。

子ども自身の前頭葉が
まだ十分に成熟していないため、
自分で使用時間を
コントロールすることが
難しいからです。

だから必要なのは、親の気合いでも
子どもの根性でもなく、
環境調整です。

ペアレントコントロールで、
3時間を2時間半に、
2時間半を2時間に、というように、
段階的に刺激量を減らしていく。

このやり方なら、
子どもの脳への負荷を減らしながら
家族のストレスも抑えやすく
なります。

改善の希望はある
―運動とマインドフルネス

そして、ここには希望もあります。
もし環境が原因で脳機能に
偏りが生じているのであれば、
環境を整えることで
改善の方向へ向かえる可能性がある、
ということです。

前頭葉機能を育てる方法として、
有酸素運動とマインドフルネスが
紹介されています。

コロンビア大学の研究では、
6カ月間の有酸素運動によって
実行機能が有意に改善し、
前頭領域の皮質の増加も
見られました。

イリノイ大学の子ども対象研究では、
約9カ月の運動介入により、
衝動抑制や認知的柔軟性が改善し、
脳波指標にも向上が見られたと
されています。

マインドフルネスについても、
注意や自己コントロールに関係する
前頭前皮質ネットワークの
結びつきが強まることが
報告されています。

劇的に一夜で変わるわけでは
ありません。

けれども、スクリーン刺激を減らし、
身体を動かし、静かに自分を整える
時間を持つことは、
子どもの脳にとって確実にプラスに
働く可能性があります。

へーグル教育の視点から見えること

ここまでの内容を
へーグル教育の視点から見たとき
問題の本質はさらに明確になります。

それは、子どもの脳が
本来の順序で育ちにくくなっている

ということです。

スマホやタブレットは、
強い刺激を次々に与えます。

待たなくてよい、想像しなくてよい、
自分で工夫しなくても
次の刺激が来る、
この状態が続くと、
子どもの内側から立ち上がるはずの
集中、想像、直感、没頭、
自己制御といった力が
育ちにくくなります。

へーグル教育が大切にしているのは、
単なる知識の詰め込みではなく、
子どもの中に眠る「感じる力」
「集中する力」「イメージする力」
「自ら伸びようとする力」
を引き出すこと
です。

その土台になるのは、
過剰な刺激ではなく、
適切に整えられた環境です。

遊び、運動、アナログなやり取り、
五感を使う体験、親子の心の交流
―こうしたものが脳の深い部分を
育てていきます。

ですから、いま本当に必要なのは、
「スマホをどう使いこなすか」
だけではありません。

子どもたちに、
「本来の人間としての成長環境」
を取り戻すこと。

その一歩が、
未来を大きく変えていくのです。

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