子育ての知恵ぶろぐ 第482回 子どもの命に係わる事故の共通原因とは?

子どもの命に係わる事故の共通原因とは?1月3日、東京都中央区の
タワーマンション23階で、
9歳の男の子がベランダ伝いに
隣の部屋へ移動しようとして転落し、
亡くなりました。

心よりご冥福をお祈りいたします。

転落事故というと、
小さなお子さまの事故という
印象があります。

統計上も1~4歳に多いのは
確かですが、小学生でも
起こり得ることを、
あらためて突きつけられた
出来事でした。

今回は、子どもの転落事故について、
あらためて知っておきたい
ポイントをお伝えします。

搬送が最も多いのは、
ベランダより「窓」

東京消防庁管内(2017〜2021年)で、
子どもが転落して救急搬送された
人数は、窓から47人、
ベランダから15人でした。

ベッドサイドの窓や、
ソファの横の出窓など、
「ベランダには気をつけている
けれど、室内の窓は盲点だった」
というご家庭は少なくありません。

ただし、命に関わる事故に絞ると、
ベランダの存在感は大きくなります。

消費者安全調査委員会の調査では、
2023年までの31年間に
9歳以下の子どもが転落して
亡くなった事故は170件あり、
ベランダが103件、窓が47件でした。

ベランダと窓、どちらも
油断はできません。

事故が起きた家庭の共通点は
「親の目が届いていなかった」
こと

近年相次いだ2歳児の
転落死亡事故には、
共通する状況があります。

2022年11月(千葉市):
高層マンション25階から転落。
当時、ご両親は外出中でした。

2022年11月(大阪府豊中市):
4階から転落。お父さまは
在宅でしたが別室におられ、
お子さまの様子は見えない状態
でした。

2023年3月(名古屋市):
7階から2歳の双子が転落。
ご両親が別の部屋へ行った、
ほんの少しの間の出来事と
みられています。

「外出中」「別室」
「少し目を離した間」。

どれも、ごく短い時間で、
ごく日常的な場面です。

さらに消費者事故調の分析では、
6歳未満の事故のうち、
ベランダでは約3割、窓では約8割が、
大人が家にいる間に起きていました。

同じ家にいても、
「見えている」とは限らないのです。

起こりやすい年齢・季節・状況

年齢:死亡事故で最も多いのは3歳。
救急搬送では1歳と3〜4歳が
目立ちます。

2〜3歳になると、階段の上り下りや
指先の動きが上達し、
窓の鍵を開けてしまうことも
あります。

「まだ届かないはず」は禁物です。

季節:搬送のピークは5月と10月。
網戸にして窓を開ける機会が増える、
過ごしやすい季節です。
今まさに、注意したい時期です。

状況:窓を開けた部屋で
子どもだけで遊んでいる時に
多く発生します。
きっかけとして、窓枠に座る・
網戸に寄りかかる(23%)、
足場に登る(17%)、
保護者が外出中(13%)、
窓が開いていた(10%)などが
挙がっています(消費者庁)。

今日から確認したい 6つの「ない」

1.子どもだけを残して、
 外出しない。

 「昼寝中だから」「すぐ戻るから」
 も危険。

2.窓を開けた部屋・ベランダで、
 子どもだけで遊ばせない。

3.窓枠や網戸に、座らせない・
 寄りかからせない。

 網戸ごと外れて転落の危険。

4.足場になる物を、置かない。

 窓際のソファ・ベッド・棚、
 ベランダの椅子など。

5.網戸や柵に、劣化がないか
 確かめる。

 網戸のたわみや破れ、
 窓枠のゆるみなど。

6.窓や網戸を、子どもの手で
 開けられないようにする。

 網戸にも補助錠を。

交通事故で最も死傷者が
多いのは「7歳」

日本の交通事故による死者は、
ピークだった1970年の16,765人から、
2024年には2,663人へと、
6分の1以下に減りました。

一方で、2020年以降は
約2,700人前後で横ばいが
続いています。

トヨタが主催し、自動車会社、
損害保険会社、自転車会社、
警察などのトップが集まる
「タテシナ会議」では、
この停滞の背景にある、
あまり知られていない事実が
共有されました。

歩行中の死傷者は「7歳」が最多

歩行中の死傷者数を年齢別に見ると
(2018〜2024年の合計)、
最も多いのは7歳で5,530人。

高齢者より大きな数字です。

7歳といえば小学校1~2年生に
あたります。

資料では、飛び出し、横断、
信号無視、路上遊戯が
事故の理由として挙げられています。

会議の参加者は一様に
「この事実は知らなかった」
と話していたそうです。

日本の特徴は「歩行者と自転車」

2022年の統計では、
日本の交通事故死者のうち
歩行中が36.0%、
自転車乗用中が15.9%で、
合わせて半数を超えます。

海外では乗用車に乗っていて
亡くなる人が多く、
日本は事故の姿が異なります。

自転車と電動キックボードの
事故が増えている

交通事故全体が減る中で、
自転車が関わる事故の割合は、
2015年の18.4%から2024年には
23.2%に上がりました。

死傷者が多いのは
中学生・高校生です。

電動キックボード
(特定小型原動機付自転車)は、
1万台あたりの事故件数が98.1件で、
自転車の12.2件の約8倍。

事故を起こすのは
「乗り物」ではなく「人」

自動車への規制は大切ですが、
事故の原因は人の行動にある、
と筆者は指摘します。

車に乗る人、自転車に乗る人、
電動キックボードを操る人、
歩いている人。

それぞれの行動が
事故につながります。

たとえば信号機。

黄色信号では、
ほぼすべてのドライバーが
アクセルを踏みます。

筆者は、黄色信号の秒数が
場所によって違うことを問題視し、
「黄色は3秒」と明確に決めてしまう
ことを提案しています。

参考として、スウェーデンの
交通安全政策「Vision Zero」が
あります。

死亡者・重傷者をゼロにすること、
人命を経済効率や利便性より
優先すること、
人はミスをするという前提で
命を落とさない道路システムを
つくること、を基本理念と
しています。

啓発は「嫌悪感」ではなく
「冷静な体験談」で

では、人の行動をどう変えるのか。

筆者は、悲惨な事故現場の
動画や写真を見せて
嫌悪感を与えるよりも、
交通事故を体験した普通の人の
冷静な考えを伝えることだと
述べます。

人々が
「自分だけは事故を起こしたくない、
自分だけは事故に遭いたくない」
と誓うようにしていくことが
大切だとしています。

死傷者を減らす2つのポイント

7歳児と高齢者への交通安全教育・
施策の徹底(保育園児、
小学1・2年生に繰り返し教育を行う)

自転車と電動キックボードの
事故対策(キックボードは
走ってよい道・いけない道を決める)

7歳前後のお子さまがいらっしゃる
ご家庭では、通学路や横断歩道で、
なぜ止まるのか、
なぜ急に飛び出しては
いけないのかを、折に触れて
繰り返しお子さまと
確認してみてはいかがでしょうか。

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