第80回 怒鳴る母と怒鳴られる子

怒鳴る母と怒鳴られる子

ある日、買い物に出かけた時のことです。

いつものスーパーで、夕食やお弁当のメニューを

あれこれ悩みながら、買い物ををしていると、

すぐ後ろで、ものすごい罵声が響きました。

「テメェ、いい加減にしろよ!!」

振り返ると、二組の母子連れのうちの一人のお母さんが、

4,5歳くらいの女の子を叱りつけています。

罵声はまだまだ続きます。

「お前がそうやってバカなことばっかやってっから、

弟が真似すんだろ!

ふざけんじゃねぇよ!○X△□※*・・・・!!!」

(巻き舌で読んでください)

女の子がどんなことをしでかしたのか、

見ていないから何とも言えませんが、

それにしてもお母さん、男言葉が板についてドスが効きまくって、

その言葉遣い、荒すぎやしませんか。

女の子は泣くわけでもなく、うつむくばかり。

連れの母子も、だんまりを決めています。

私もしばらく呆然と見つめてしまいました。

我に返って慌てて視線をはずし、買い物を再開しました。

その後何度目かにすれ違ったときに、

あることを目撃してしまったのです。

母親たちから少し離れたところで、

女の子が「バカヤロー!」と言って弟の頭を叩きました。

女の子も、家では叩かれることもあるのかもしれません。

 

子どもは、自分がされたことをするものです。

あんなふうに怒鳴りつけても、女の子には通じていないようです。

怒鳴られるのはいつものことだから、慣れっこになってしまい、

自分の中での処理の仕方も覚えてしまって、

嵐が過ぎ去ったらケロッとしています。

そんな子を見て、お母さんの迫力も

エスカレートしていきます。

そうして受けたストレスを、

自分より弱い弟に向けてしまうのです。

 

怒鳴られても、叩かれても、子どもはお母さんが大好きです。

大好きだから、まとわりついていきます。

母親同士でおしゃべりに夢中になっているところへ、

あまりしつこくして、

また怒られなければいいんだけどと、

こちらの方は勝手に気を揉んでしまいます。

子どもが、いつでもまとわりついてくる時期には

決してわからないことがあります。

それは、思春期になって

どのように子どもが育っていくかということ。

そのような時になって焦らないためにも、

子どもの心を考えながら、

きちんとしつけをしていきましょう。

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