【幼児教育の豆知識】赤ちゃんの首すわり時期はいつ?目安と確認方法・遅いときの対応について徹底解説!

赤ちゃんの首すわりは、「成長の節目」として多くの親が気になるポイントです。一般的には生後3〜4か月頃といわれますが、赤ちゃんの成長のペースによって大きな個人差があるもの。そのため、「うちの子はまだ?」と不安になる人も少なくありません。
この記事では、首すわりの時期の目安や確認方法、発達をサポートする遊びや日々の関わり方、さらに気になるときの医療機関への相談の目安まで、わかりやすく徹底解説します。赤ちゃんの成長を安心して見守るためのヒントとして、参考にしてくださいね。
Contents
「首すわり」って何?どうなったら「すわった」と言えるの?
まずは、首すわりとはどういう状態を指すのかを知っておきましょう。首がすわったかを調べるための方法も紹介します。
首すわりとは「自力で首を支えられるようになること」
生まれてすぐの赤ちゃんはまだ首の筋肉が発達しておらず、頭を自分の筋力だけでは支えられない状態。そこから、他者の支えがなくても自分で首を安定させて頭の位置を保てる状態になると、「首がすわった」といえます。
首がすわると視線が安定するので、周囲の物をよく観察するようになるなど、赤ちゃんの興味はぐんと広がります。遊びの幅も広がるほか、親も抱っこがしやすくなり、縦抱きで一緒に景色を楽しむなど赤ちゃんとのコミュニケーションの幅も広がります。
自宅でできる首すわりチェック方法3選
家庭でできる首すわりを確かめる方法を3つ紹介します。いずれの方法においても赤ちゃんをしっかり支えるようにし、十分に注意をして行いましょう。 赤ちゃんを縦抱きしたときに、首の後ろを手で支えなくても頭がグラつかない状態であれば、首が座ったといえるでしょう。 赤ちゃんをうつ伏せにしたとき、自分から頭をぐっと持ち上げられるかどうか、首を左右の方向に向けられるかどうかが判断の基準となります。うつ伏せに寝かせると窒息の危険性が高まります。「頭を持ち上げられるまで」など、無理に同じ態勢を続けないように、そして目を離さないように気を付けましょう。 仰向けの姿勢での確認方法としては、赤ちゃんの両腕を握り、ゆっくりと上体を起こしてあげて、頭がどの程度安定して体についてくるかを見る、ということがあります。3カ月検診のときにも使われる確認方法ですが、家庭で試す場合は注意があります。赤ちゃんの腕の関節が抜けないように、また首に衝撃を与えないように、腕を急に引っ張らない、強く引っ張らないなど、優しく行うことが重要です データからみると、赤ちゃんの首すわりの時期の目安は生後約4カ月。しかし、それよりも早い子どもも遅い子どももいます。前後の月齢で赤ちゃんの体はどのように発達しているのか、首すわりと合わせて解説していきます。 令和5年の「乳幼児身体発育調査」(※)によると、2~3月未満で首が座った赤ちゃんは5.6%と少数派。まだ全身の筋肉が発達途中なので、基本的に常に寝ている状態です。 (※)こども家庭庁 令和5年乳幼児身体発育調査/ 前出の調査では、生後4~5月未満の93.5%が首が座っているという結果に。つまり、生後4カ月ごろに首がすわったという赤ちゃんが多いようです。 このころには、ほとんどの赤ちゃんが首がすわった状態。首がすわっていれば、うつ伏せの姿勢から顔をあげて、首を左右に動かすこともできるようになります。また、縦抱きで抱っこしたとき、首を支えなくても頭を安定させることができるようになります。 生後4カ月ごろには首がすわっている子が多いですが、早産の場合は遅いケースも見られ、頭の大きさ、体の柔軟性なども首すわりの時期に関係します。平均より早く1,2カ月で首がすわりそうな子もいれば、平均より遅く5カ月ごろにやっと、という子も。平均とずれているからといって、すぐに発達や病気の心配をする必要はありません。焦らずに、一人一人のペースを尊重して見守ってあげましょう。 首がすわるまでには、赤ちゃんの各部の筋肉が発達する必要があります。首すわりに注目するだけではなく、体全体の発達も考えながら、見守ってあげましょう。 生後2カ月ほどで、うつ伏せで首を持ち上げようとするなど背筋と首の筋肉が少しずつ発達していきます。体幹となる背筋が発達することで、首だけではなく肩の動きも支えられるようになり、肩周りの筋肉が強くなっていきます。肩が安定してくると腕を動かしやすくなり、上体を持ち上げるなどの動きもできるように。 首がすわることは、単に頭を支えられるようになるだけでなく、その後の運動発達につながる大切なステップです。首のコントロールができるようになると、寝返りで体をひねったり、うつ伏せから腕で体を支えて顔を上げたりといった動きがスムーズになります。 「周りの子と比べて、うちの子はまだ首がすわらない…」と心配になる親御さんも少なくありません。しかし運動発達は、首すわりだけを切り取って見るのではなく、背筋・肩・腕といった全身の筋肉の発達と連動して進むものです。首が少しずつ安定してきたら、その延長に寝返りやおすわりがつながっていきます。発達には個人差が大きいため、焦らずに「今は背中の筋肉を鍛えている時期なんだな」と、プロセスを理解して見守ることが大切です。遊びやタミータイムを通じて、楽しく自然に筋力が育つようにサポートしていきましょう。 首すわりを促すためのトレーニングはいくつかあります。この章では、赤ちゃんに無理のないトレーニング方法を紹介。避けたほうがいいこともチェックしてください。 首すわりや寝返り、はいはいのための筋力を育てるとされているのが、うつ伏せ遊びです。アメリカではタミータイム(Tummy Time)、つまり腹ばいの時間と言われていて、全米小児科学会でも推奨されている方法です。 ただうつ伏せにするだけではなく、優しく話しかけてあげたり歌を歌ってあげたり、声掛けをすると赤ちゃんはそちらに顔を向けようとします。また、おもちゃで気を引いて赤ちゃんの目線をとらえてから、そのおもちゃをゆっくり左右、上下に動かすなどすれば、赤ちゃんもそれを追って顔を動かそうとするので、首をあげてキープする時間が長くなります。 うつ伏せのトレーニングをするのは、赤ちゃんが機嫌がよさそうなとき。機嫌の悪いときや、泣いるときに無理にやらせていると、赤ちゃんはうつ伏せの体勢自体がイヤなものというイメージを持ってしまいます。 特別なトレーニングをしなくても、日々の親子の触れ合いの中でも赤ちゃんの筋力は付いていきます。 子どもの首すわりが遅いと、発達障害や病気を心配する親も。首すわりに影響を及ぼす可能性のある病気や障害、受診するタイミングについて説明します。 首すわりが遅い場合は、筋ジストロフィーや脳性麻痺、発達障害などが原因になっている場合があります。とはいえ、ただ成長がゆっくりなのか疾患なのか一般では判断しにくいもの。 首すわりが遅い、または極端に早い場合は、ASD(自閉スペクトラム症)が原因となっていることもあります。ASDの場合は、筋肉の発達や緊張度が一般と異なり、首すわりが遅くなる、または緊張度が強くて早く首がすわる、ということも。 小児科など専門家に相談する目安は、生後5カ月。この時期をすぎても首がすわらないようであれば一度受診してみましょう。場合によってはより精密な検査を進められることもあります。 乳幼児の発達は個人差が大きいもの。首すわりも例外ではありません。同じ月齢の子どもが首がすわっていると焦るかもしれませんが、自分の子どものペースを大切に、ゆったりした気持ちで見守ってあげましょう。 大切なのは、「昨日より首を持ち上げる時間が長くなった」「視線を上げようとする回数が増えた」といった子どもの小さな変化に気づいてあげることです。子どもの成長は日々の積み重ね、という視点を持つと、親子で一緒に発達を楽しむことができます。 もし首すわりまでの発達に不安がある場合や、成長全体に遅れが見られると感じるときは、一人で抱え込まずに小児科や健診の場で相談することが大切です。医師や保健師のサポートを受けながら、安心して育児を続けていきましょう。赤ちゃんの発達は十人十色。焦らず、見守りながらその子らしいペースを大切にしていくことが、健やかな成長につながります。
縦抱きの際は、赤ちゃんの首を支えて頭を自分の肩にもたれさせ、そっと手を離して頭を上げられるかをみます。ただ、まだ不安定な時期は手を離すと突然がっくりと頭が後傾してしまうこともあり得ます。確実に首がすわるまでは、安全のため手を添えておきましょう。首がすわっていない時期の長時間の縦抱きは首に負担をかけるので、短時間で行います。赤ちゃんの首すわり時期はいつ?【月齢別の目安と個人差】
【生後2〜3カ月頃】首はまだフニャフニャ、基本は寝かせた姿勢
もちろん、成長に従って元気に手足を動かしたり、うつ伏せの状態から少し頭を持ち上げようとしたりする動きも見られます。調査によると、3~4月未満は53.3%と約半数が首が座った状態に。ただ、まだ首が安定しきっていない場合も多いので、無理にやらせようとしないことが大切です。
https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/r5-nyuuyoujityousa/
【生後4ヶ月頃】うつ伏せで頭を持ち上げられるように
うつ伏せにすると頭を持ち上げようとし、頭を上げたまま姿勢を保てる時間も長くなります。自分で頭をあげることができれば視野も広がり、物を取ろうとするなど体を動かすことも増えて、さらに筋力がアップしていきます。【生後5ヶ月頃】縦抱きで安定すれば“ほぼ首すわり完了”
ただ、まだ不安定と感じるときはサポートが必要です。縦抱きのときは後頭部に手を添えるなど、確実に首がすわるまでは油断しないようにしましょう。早い子・ゆっくりな子…首すわりも個人差が大きい

首すわりは筋肉の発達の一環
背筋・肩・腕の筋力が徐々に発達
このように、背筋、肩、腕と連鎖的に筋肉が発達していく中で、首すわりに必要な体を反らせて頭を持ち上げる動作、腕を突っ張って上体を起こす動作などが見られるようになります。寝返りやおすわりの準備段階でもある
また、首と背中がしっかり支えられるようになることは、次の段階である「おすわり」や「はいはい」の準備にも直結します。首すわりは、赤ちゃんのさらなる発達につながる第一歩と考えましょう。運動発達の“つながり”を意識すると焦らず見守れる
首すわりを促す“無理のない関わり方”と避けたいNG行動
うつ伏せ遊び(タミータイム)を短時間から導入しよう
方法としては、赤ちゃんをプレイマットなど硬すぎない平らな場所にうつ伏せにします。固い床だと、顔を伏せたときにけがを危険性があります。うつ伏せの状態から、赤ちゃんが周囲に興味を持って頭を持ち上げることで、首などの筋力が強化されます。仰向けからうつ伏せにするときは、手で赤ちゃんの首や頭をしっかり支えてゆっくりと。赤ちゃんの手は足の方ではなく顔の横にして、体を支えられるようにしましょう。
うつ伏せ遊びをする時間としては、生後1カ月なら10分前後、2~3カ月なら20~30分を目安としましょう。30分以上は赤ちゃんが疲れてしまうので、適度な時間を守ることが必要です。
また、柔らかすぎる布や枕が敷かれていると、顔を伏せたときに窒息する可能性があるので注意を。そのまま寝てしまったら、同じく窒息することを防ぐために仰向けに戻します。いずれにしても、うつ伏せ遊びをしているときは目を離さないのが重要です。声かけや目線誘導も有効
頭を無理に持ち上げさせるトレーニングは逆効果
また、赤ちゃんの頭を無理に上げさせようとすると、かえって首に無理な力をかけてダメージを与えてしまう危険性も。長すぎるトレーニングもNGです。首すわりのトレーニングは赤ちゃんに無理のない範囲で、ということは忘れないようにしましょう。無理をしなくても、日々の触れ合いの中で筋力は付いていくもの
優しく声を掛けたり、触れたりしてあげると赤ちゃんは反応して体を動かします。仰向けでも、お母さんが話しかけたり、おもちゃを見せてあげたりすると顔を動かそうとします。そうしたことで筋力が鍛えられて、徐々に首もすわっていくのです。
親があせって無理にトレーニングをさせるのではなく、毎日たくさん触れ合って、遊んであげることが首すわりへの近道と考えましょう。
首すわりが遅い?こんなときどうする
他の発達(表情・手足の動き)はどうかもチェック
首すわりが遅くても、順調に身長が伸びて体重も増えている、手足をよく動かせるなど全体的に元気であれば、それほど不安になることはありません。また、よく笑う、笑顔を見せるといった表情もチェックポイントのひとつです。発達障害かどうかは、0歳では判断が難しい
そのほか、ADHD(注意欠陥・多動性障害)などが関わっているケースもありますが、いずれにしても0歳児では専門医でも発達障害の診断は難しいといわれています。当然一般での判断は困難。自己判断をせず、心配しすぎないことが肝心です。
ただ、親が赤ちゃんの発達に不安を抱いている場合、心配がある場合は子育てにも影響が出てしまいます。不安があるなら迷わず専門医に受診を。なんらかの疾患があるなら、早期発見に越したことはありません。小児科や保健師に相談するタイミング
その前に、生後3カ月、4カ月検診もあるので、その際に気になることがあれば担当医に相談してみてもいいでしょう。まとめ
発達には個人差がある
他者と比べるのではなく、“昨日と今日”を比べよう
気になるときは医療機関に相談しつつ、安心できる育児を

株式会社ヘーグル 理事長
30年以上にわたって、幼児期からの理想的な能力開発と学習環境を追求、独自に開発した「親と子の共育大学のプログラム」など、親子でともに成長できる子育て、教育メソッドは絶大なる人気を誇る。

【執筆者】逸見 浩督(へんみ ひろただ)
株式会社ヘーグル 理事長
30年以上にわたって、幼児期からの理想的な能力開発と学習環境を追求、独自に開発した「親と子の共育大学のプログラム」など、親子でともに成長できる子育て、教育メソッドは絶大なる人気を誇る。






