第233回 子どもの「読解力」を伸ばすために幼児期に何をすべきか?③

子どもの「読解力」を伸ばすために幼児期に何をすべきか?③
幼児期からの読解力をつけるには、
前回迄に書いた通り、
音から入る=読み聞かせがとても大切です。

年齢が少し上がってくると、
自分で読める本も増えてきます。

そのような時には、自分で読むには、
まだ難しいレベルの本も読んであげるように
します。

少しレベルの高い本は、
自分では読むのに難しいのですが、
自分で読める本よりも内容的に深く、
物語も詳しく描かれていますので、
ストーリーに入り込むことが出来ます。

その手助けをしてあげるのです。

特におすすめなのが、「偉人伝」です。

偉人伝は、基本的に成功のストーリーであり、
成功哲学の土台となります。

様々な困難に遭遇したとき、
どのように対処したかを学ぶことは、
生きる知恵を学ぶことにもなります。

「憧れの的になる人」をたくさん作ると
よいのです。

幼児の場合には、一番興味、関心を抱くのは
「人」です。

お母さん、お父さんから始まって、
自分にかかわる人の影響を受けて
大きくなっていきます。

ですから、「偉人伝」はそういう意味でも
小さな子どもにいい影響を与えるのです。

年中・年長の時期になると、
少しずつ思考の芽が育ってきます。

ヘーグルのプレ小学部では、
「国語読解力養成講座」が始まります。

子どもが、与えられた作品を読み解き、
いろいろ考えるのです。

「読解力」を養成するのに大事なことは、
以下の2つです。

「筆者は、なぜこの作品を書いたのか?」
ということです。

文学作品を書いて、世に残そうとしたのには
必ず理由があるはずです。

自分の惨めな境遇を訴え、世の中の人に、
人間社会にある不平等を訴えるとか、
人間と自然とのかかわりの不自然さを
訴えるなどといった主張があったりします。

そこには、筆者が置かれた立場があり、
その周りに置かれた環境・状況があります。

つまり、筆者が主張したいことは、
ある意味、筆者が置かれた環境が
必然的に生み出したともいえる
のです。

例えば、数多くの名作と言われる
文学作品を残した宮沢賢治は、
自分が育った裕福な環境と、
郷土の農民の悲惨な境遇との差を
実感していました。

彼には、それに対する贖罪感や
自己犠牲の精神が根底にありました。

「雨ニモ負ケズ」という詩を読んでも、
それを察することが出来ます。

「筆者は、この作品を通じて
何が言いたいのか?」

通常、「主題」と言われるものですが、
この作品で筆者が言いたかったことを
簡潔にまとめることが大切です。

この「主題をとらえる」という行為は、
私たちの毎日の生活の中で頻繁にやっている
ことです。

会話をしていても、相手が何を言いたいのか、
一番強く主張していることは何か?
(真意)などと言ったことを即座に
理解できなければいけません。

そういったことをとらえる練習をするのです。

幼児にとっては、
他人の立場を客観的に理解するというのは、
年齢的に見ても厳しい側面はあります。

しかし、筆者の生き様や
置かれた環境、時代背景を考え合わせることで、
徐々に子どもの思考の範囲が広がり、
深くなっていきます。

つまり、就学以前の子どもたちに、
読解力、思考力の受け皿となる
「読解の器」、「思考の器」を
作ってあげることが重要なのです。