【ここだけの子育て成功術~厳選セレクト vol.63】これからの時代に必要な感性を育てる子育て
幼児から小学生までの教育で、
大事なことは何でしょう?
それは、子どもが生きていく上で
最も大きな土台となる、
“感性”を育てることです。
感性の部分は、
その人がどう育ってきたかに
関わってくるので、
大きくなってから変えることは
難しいものです。
「いいのはわかるけれども、
何となくいやだな」とか、
「何がいいってわけじゃないけど
好きなんだよね」みたいな感情を
起こすのが感性です。
人は、まず感性が合うかどうかを
判断します。
感性というと、
とてもあいまいな感じがしますが、
実は陰に哲学が隠れています。
例えば、最近車が売れなくなって
きています。
東京の中心部では、交通網が発達し、
車がなくても不便を感じることはなく、
維持費もかなり高いため
車自体が必要ないという事情も
あります。
しかし、そんなに交通網が
発達していない地域でも
車が売れにくくなっています。
この場合「車ってそんなに
必要なものなの?」という感覚が
ベースにあると思います。
わざわざお金をかけて、
空気を汚して
資源を無駄にするよりも、
もっと他にいいことが
たくさんあるんじゃない?
という素朴な発想です。
この素朴な発想の陰にあるのが
哲学です。
人がこう言っているから私も、
という付和雷同型ではなく、
自分自身の内側からわき上がる
自分流の哲学です。
この哲学を持っている人と、
そうでない人の差が広がりつつある
ように思います。
あまりにも軽率な行動をとる若者と、
信念を持ってボランティア活動等を
している若者が同時にいます。
どちらも感性にもとづいて
動いていますが、その裏にある
ストーリー性(哲学)が
まったく違うのです。
幼少期に、
きちんとした感性を育てると、
やがてはその子の哲学へと
育っていきます。
発達段階から見れば、
2歳の終わりころに
共感・恥・罪悪感など
感情がわき始め、
3歳の初めごろに
善悪の概念を獲得します。
子どもは、思ったよりも早く
価値観の基礎を作り上げていきます。
絵本の読み聞かせは、
豊かな感性をつくるのに役立ちます。
「子どもには、恐いお話しや
ハッピーエンドでないお話しを
読ませない方がいいのでは?」
というお母さんがいます。
その気持ちはわかりますが、
そのような恐いお話しを避けるよりも、
「恐いことやハッピーエンドに
ならないこともあるのだから、
今の幸せに感謝しようね」
と教える方がいいと思います。
人の痛みを理解するためには、
自分も痛んだ経験が必要です。
その疑似体験を、
本の中でやっているのです。
また先日、こんな質問を受けました。
子ども(小1)に、
「何でことわざを覚えなければ
ならないの?」と聞かれて、
どう答えてよいか考え込んでしまった
というのです。
その時お母さんは、
「あなたの知識を広げるためよ」
と答えたものの、
なんとなく釈然としなかった
のだそうです。
このような質問に
どう答えればいいのかは、
人それぞれ違っていいのですが、
ここで、気の利いたコメントを
返すことができれば、
その子にきちんとした価値観を
植え付けることができます。
それは哲学にも通ずるものです。
日々のこうした何気ない会話の中に、
大きなチャンスがあるのです。
さあ、皆さんはこんな時、
どう答えますか?
ちょっと考えてみてください。
次回、その答えを
ご一緒に考えてみましょう。