第222回 豊かな日本を築くための、 これからの教育とは

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かつてあるイギリスの経済学者は、
「将来は一人が一週間に15時間働けば
十分な世の中になる」と言いました。

また、生活を送るために
十分なお金を全員に与える
「ベーシックインカム」という取り組みを
実験的におこなった地域もあります。

さらに、
「AI(人工知能)の発達によって
不要になる職業」も最近話題となりました。

このように考えると、
「人が働くのが当たり前」
という考え方自体が
大きく変わるかもしれません。
「(問)働かなくても生活するために
十分なお金が国からもらえるとしたら、
あなたは働きますか?働きませんか?

どちらか一方を選んだ上で、
その理由を具体的に答えなさい。」
これは、最近のある私立中学入試の
社会科の問題の一部です。

非常に斬新な問題で、
私たちでも「はっ!」とする内容です。

人間にとって「労働」とは何かという
根本的なことを考え直すきっかけにも
なっています。

この問題に答えた9割の子どもは、
「働く」を選択したそうです。

しかし、1割の子どもは
「働かない」を選択しました。

この問題の正解は、
「働く」でも「働かない」でも
どちらも正解です。

「働く」を選択したから〇、
「働かない」を選択したから✕
というわけではありません。

自分の考えをきちんと論理的に
説明できるかが、採点の基準になります。
ここに一つの問題があります。

それは、まだ12歳という小学生に
このような問題を問うているところです。

国民の三大義務というのが、
日本国憲法によって定められています。

「教育の義務(26条2項)」
「勤労の義務(27条1項)」
「納税の義務(30条)」です。

日本の小学生は、小学校を卒業したら
授業料も負担することなく
全員中学校へ進学することが
できるというのは、義務教育だからです。

そして、
大人になったら「勤労の義務」を全うし、
「納税の義務」を行うということによって、
社会の秩序が守られ、発展していく
という仕組みになっているのです。
つまり、ここで重要なのは、
今まで「働く」というのは
国民の不可避の義務であったことが
選択できるということになった場合、
国家の存続が危ぶまれることや
国家の発展性にも関わってくる大問題です。

義務教育では、憲法に定められている
「国民の3大義務」を
子どもたちにきちんと教え、
国家を支える国民を一人一人育てることが
第一の目標です。

そのうえで、本人たちが成人になり、
一人の人間として参政権を持つ段階になって、
それぞれの意見をもって活動する
というのが自然です。
これからの日本の人口は激減していきます。

昨年の子どもの出生率をみても、
1年で10%以上減っているという
目を覆いたくなるような現状なのです。

世界で活躍して豊かな国家=日本を
築くためには、みんなが熱意をもって
様々なことに挑戦をしていかなければ
なりません。
もともと、働くという意味は、
「はた=周りの人」を「楽」にする、
自分が働くことによって周りの人が
「楽」ができるような環境を
作り出すことによって社会に貢献し、
それで得た利益を
納税することによって社会に還元し、
さらに次の世代に活躍する人たちを
教育することによって
次世代へのバトンタッチを行う
という意味です。

つまり、国民の3大義務とは、
一つ一つをバラバラにすることはできず、
それぞれが有機的に密接に
結びついているものなのです。
ここで私共が言いたいのは、
この入試問題が良いか、悪いかではなく、
今の科学、社会など私たちが
置かれている環境はめまぐるしく変わり、
単に知識を得るということでは
終わることができず、
倫理や価値観をも含めた思考や教育が
必要になってきたということを
認識する必要があるということなのです。

へーグルで取り組んでいる
人間学を中心とした「心の教育」の重要性が
さらに増します。
いま、「ニート問題」が深刻化し、
「5080問題」に発展しています。

また、「高学歴ニート」の問題も
大きく影を落としています。

自分の言いたいことだけを言い、
それを正当化する論理力を持てば
それでよしとするようなものを
育てるのが教育ではない、
ということも再認識しなければなりません。