熱心な教育ママである母親のもとで、
彼は育ちました。

彼に求められたのは、
父親と同じ道を歩むことでした。

父親は、東大法学部を卒業後、
農水事務次官まで上り詰めました。

父親の弟は東大付属病院で勤務し、
3人の姉妹たちも医療関係の夫を
持っていると言います。

彼にも当然、
多大な期待が寄せられました。

その期待に応えて、
彼は東京の最難関中学の一つである
駒場東邦中学校に合格しました。

しかし、ここから歯車が狂い始めます。

父親のようなエリートになれという
母親の教育に反発し始めます。

成績は低迷し、とうとう
何年に一人しか出ないと言われる
大学に行かない子どもになります。

彼は、ツイッターに
「私はいじめられ続けられ、
統合失調症になった。何とか復讐したい」
と書いていました。

母親のことを「愚母」と呼び、
ツイッターにも
「中2の時、初めて愚母を殴り倒した時の
快感は今でも覚えている」
「殺人許可証をもらったら
真っ先に愚母を殺す」
と書き込んでいます。

母親への敵意は、
相当なものだったようです。

ゲームを通じて知り合った人たちとの
ツイッターでは、
「両親はテストで悪い点をとると
玩具やプラモデルを壊す」
「子どもは親の所有物ではない」
「ストレスだらけの人生」

とも書き込んでいたそうです。

このことについて、
母親が検察官から問われると、
「勉強のことで
おもちゃを壊したことはない」
と話したそうです。

彼は高校を卒業後、
「代々木アニメーション学院」に通い、
その後「流通経済大学大学院」の
修士課程を修了しました。

父親のことは尊敬していて、
ゲーム仲間に「父親自慢」を
していました。

10年くらい都内で
一人暮らしをしていましたが、
ゲーム代や生活費はすべて
親が持っていました。

しかし、事件を起こされる10日前に
実家に戻った時にも、
母親を怨む気持ちは
変わっていなかったと言います。

ツイッターの内容を
週刊文春ではこう報じています。

「何が産んでくれた?
勝手に親の都合で産んだんだから
死ぬ最期の一秒まで
子どもに責任を持てと
言いたいんだ私は」と。

2019年6月に東京練馬区の自宅で
彼は父親に殺害されました。

彼の暴力は中2の時から始まり、
暴力はエスカレートしていきました。

彼の周りの子どもたちへの殺害を
予見した父親が思い余って
彼を殺害したのでした。

親が持つ子どもへの期待は、
誰にでもあるものです。

期待があるからこそ、
親としての様々なサポートが
できるのです。

しかし、
その期待があまりにも大きかったり、
半強制的に子どもが進んでいく道を
押し込めるようなことがあったとしたら
どうでしょう。

今回の事件は、極端な例かもしれません。

しかし、子どもに対する
過度な期待を持ってしまう親御さんは
少なくありません。

もっと、子どもの声を
素直に聞いてあげる環境が彼にあったら、
こんな悲劇は生まれなかったでしょう。

ここまでの経緯には至らないまでも、
子どもの心が壊れてしまうような結果を
招くことは少なくありません。

受験が過熱すればするほど、
その危険は増します。

「子どもは親の所有物ではない」
というフレーズは、ヘーグルが主催する
「親と子の共育大学第4講座と第9講座」
でも取り上げています。

子どもが幼少期であるときに、
親が子どもに対する接し方を
きちんと学んでいくことで、
このような悲劇は未然に防ぐことが
出来ます。

ヘーグルでは、2020年より
『親と子の共育大学』を再び開催し、
親と子が共に成長していける環境を
作ることへのお手伝いをします。

また、12月22日に開催される
「第8回父親セミナー」でも、
父親が子どもとの良いコミュニケーションを
確立するためのヒントをお伝えします。